絵を描くことが好きな子どもたちにパパママがしてあげられること
今回は、ここまでの道のりや、先生が大切にしている考え方をインタビューしてきました。
お話を聞いた人:かしわらあきお
(株)京田クリエーション デザイナー兼、絵本作家
1969年 兵庫県生まれ。
キャラクター開発、動画制作、ブックデザイン、商品企画などの分野で活躍
★2004年「えいごえほん」シリーズで絵本デビュー
★2012年『ちょんちょんちょん(ゆびあそぶっく)』(日本出版販売株式会社)
「第1回デジタルえほんアワード グランプリ」受賞
★2009年、2010年、2012年「ほんとのおおきさ」シリーズの4冊が(学研教育出版)
「Parents' Choice Award ノンフィクション部門・金賞」受賞
さらに今年は、『パーソナルちいくえほん』が『日本子育て支援大賞2021』を受賞
その他にも今までに様々な賞を受賞され世界レベルでの功績を収める。
絵本作家・イラストレーターという職業について
ー 絵本作家・イラストレーターになるために、大事なことって何だと思いますか?
1番大事なのは “続けること” ですかね。 自分が続けていなかったら「絵で生活する」までに辿り着けないですからね。 絵本作家という職業に限らず、誰もが「勘違い」から始まって「勘違い」を続行できるかが大事なんじゃないかと思います。 「自分の作品、これはウケるに違いない!面白いに決まっている!」という思い込み=勘違い、という意味で。
ー 「絵で生活なんかできないのではないか?」と、周りにやめさせられる人もいると聞いたことがありますが、それについてはどう思いますか?
挑戦する前からやめてしまうのは、とても勿体無いことだと思います。
「興味を持つ」や「好き」は、それだけで立派な才能です。
後悔の気持ちが大きくなってしまわないように、まずは何でもいいので取り組んでみることが重要だと思います。
確かに「絵だけで生活できる人」は、ごくごく一部だと思います。
でも、「絵もやりながら生活する人」、「絵を仕事に役立てている人」は意外と多いと思います。
「芸は身を助ける」とも言われてますし、例え自分の一番の願いは叶わなかったとしても、その能力は何かで役立ってくると思います。
ー 作品の発表の手段が多様化していますからね。
昔は出版社に持ち込んで、売り込みをするといった方法しかありませんでしたが、
昨今はSNSやYouTubeといった発表の場も増えてますので、そこのハードルはぐっと下がってきたかと思います。
でも逆に、容易に発表できるようになったので、競争相手は格段に多くなったと思います。
ー かしわら先生の口からそのような言葉を聞けると、背中を押してもらえるお子さまも多いと思います!
それでは今のような世の中だからこそ思う、絵本作家の魅力は何だと思いますか?
「自分の想像したものを全て絵本の中に盛り込める」という点が、僕にとっての絵本の最大の魅力です。
絵本作家になるまでの道のりについて
ー 小さな時から絵を描くことはお好きだったのですか?
はい!
小さな頃からよく絵を描いていました。
何かの主人公、悪の敵キャラ、スポーツする人、宇宙人、ロボット、飛行機、建物、町の地図…。
いろいろなジャンルを思いつくままに描いてましたね。
ー やはり絵はずっと描かれていたのですね!
となると、社会人になった頃からずっと絵に関するお仕事をされていたのですか?
僕は最初木工所に就職したんですよ。
椅子や机を木材で、デザイン・加工する仕事です。
それからデザイナー職に憧れて、神戸でデザインの職に就きました。そして現在の「株式会社京田クリエーション」
(※1)にデザイナーとして入って、絵本の世界があるんだって知って・・・
「絵本作家になってみたいな」という気持ちが芽生えて、といった流れなので。
(※1)
株式会社京田クリエーション…かしわらあきお先生が所属。
多くのクリエイターが所属する企業。広告の企画制作から絵本や図鑑の企画・制作まで行う制作会社。
「面白い・楽しい」を絵本にしたり、「難しいことを伝わりやすく」をデザインにしたりと、多彩なスキルをもった様々な職種のクリエーターが在籍されている。
ー なるほど、最初は広告などの商業デザイナーとして入社されて、同社の「絵本の制作」部門にシフトしていったわけですね。
幼少の頃から絵は描いてたけど、絵本作家になりたいとかイラストレーターになりたいという願望はあまり無かったと思います。
絵本は、デザインの延長線上でやらせていただいてたという感じで『しましまぐるぐる』も絵本というより「デザイン」なんですよね。
デザインが素晴らしいことを知ってますので、その可能性を広げたいなと思っております。
ー 確かに!
『しましまぐるぐる』シリーズ全体を通してですが、絵本の中の色使いやフォント、配置など今までの絵本のカテゴリーのどれにも属さない独特のものですね。まるで広告デザインのような世界観。
まだ目の見えづらい新生児も『しましまぐるぐる』を食い入るように見る、というパパ・ママからのたくさんのレビュー。 「人の目を如何に惹きつけるか」デザインという土台がある かしわらあきお先生ならではの世界観から大ヒット絵本作が生まれたのですね。
ー デザイナー職から絵本作家になりたいと思うようになったきっかけは何かあったのですか?
京田クリエーションは当時レターセットのデザイン制作の仕事してたんですよ。
いっぱいデザインラフ案作ってたので、「サンマブラザーズ」(※2)のような絵を描き起こしてみたんです。
同じ会社に所属する たかいよしかずに見せたら「めっちゃおもろいやん!」って言ってくれて!
普通のデザイン事務所やと、絵本やイラストの分野との接点ってないんですよね。
でもたかいがその道を開いてくれました。
そこからはいろいろな絵本を見ていくうちに、「新しくて、みんなが驚くような絵本を自分も作ってみたい!」と思うようになりました。
(※2)かしわら先生が当時描かれたレターセットのイラスト
絵本作家・イラストレーターの活動の場について
ー ご自身の絵を、絵本以外の形で発信していきたいなどの思いはありますか?
僕はTesoro Mioで「のりものリュック」作らせてもらったような、自分の絵がグッズになるとドキドキします。
形になって、色が入って、ずっと持ってられて、置いておけるっていうのがすごい嬉しいです。
ー Tesoro Mioと作ったグッズについて、ストーリーやコンセプト・色・素材・デザインなど、こだわった点はありますか?
のりものリュック
どこへでも一緒に遊びに行けるように、バックパックそのものが のりもの キャラクターになっていたり、ポケットの中の運転席や、トランシーバーで「ごっこ遊び」をしたり、思いつく全てのわくわくを、のりものリュックに詰め込みました。
デザインのこだわりポイントは、見た子どもが元気になるようにキャッチーな配色にしました。
「POP-OUT collection バックパック Hop in & Go!」シリーズ
かしわらあきお先生描きおろしオリジナル絵本がセット!
・パトロールカー
・しょうぼうしゃ
・ひこうき
・ドクターイエロー
全4種類
税込6,930円
カシュカシュバッグ
「おしゃれかわいい」+「遊べる」+「便利」という点にこだわりました。
マスコットと絵本付きですので、親子でたっぷり、しっかり、ふれあっていただければと思います。
デザインのこだわりポイントは、キャラクターの3人(ひよこ・りす・かえる)が一番活きる配色にしました。
「POP-OUT collection トートバッグcache*cache」シリーズ
かしわらあきお先生描きおろしオリジナル絵本がセット!
・ベージュ
・ネイビー
全2色
税込8,470円
ー 「こんな場面で、こんな風に使用してほしい!」などの思いがあれば教えてください!
「のりものリュック」も「カシュカシュバッグ」も、町へのお出かけや、自然へのハイキングなど、どこでも一緒に連れて行ってもらえればと思います!
インタビューの中で、「見た人の気持ちが元気になったらいいな。」「あたたかさを感じてもらいたいな。」と思いながら絵を描いていると話してくださったかしわら先生。
かしわら先生を始め、京田クリエーションの皆様にいただいたたくさんのデザイン案から、その思いが伝わってきます。
将来の夢を抱く、今の子どもや学生へ向けて
ー 「絵を描くことが大好きな子どもたちへ」「お子さまの絵を描くことの個性を見守るパパ・ママたちへ」
最後にメッセージをお願いいたします!
絵を描くのが好きな子なら、絵を思いっきり描かせてあげてください。
絵本を読むのが好きな子なら、絵本をたっぷり読ませてあげてください。
運動が好きな子なら、スポーツを思いっきりやらせてあげてください。
まずは子どもの興味伝いに、得意伝いに、好きなようにやらせてあげてほしいなと思います。
それが将来役に立つとか、仕事に役立つとか、そこは考えなくても大丈夫です。
熱中できるものを、思いっきりやらせてあげることが重要で、子どもの時間はそのための時間だと思います。
打ち合わせ中にさらさらとサインを描いてくださる、優しいかしわら先生。
以上
インタビューを終えて
絵本業界の中でも異例の数々のミリオンヒット作を生んでいらっしゃるかしわらあきお先生ですが、元々はデザイナーとしての活動が主で、結果的にこの道に辿り着いた、ということに驚きを隠せませんでした。
「アイデアマグマ(噴火)」と言われるほど次々に企画のアイデアが噴火する かしわらあきお先生。
常に「子どもたちを楽しませる何か」を頭の中に巡らせているアーティストなのだと感じました。
そんなかしわらあきお先生と巡り合わせていただいたTesoro Mio、
”Tesoro Mioとのグッズ作り” に対してドキドキしていただけていたことを知れて、改めてかしわら先生とものづくりができたことを嬉しく思いました。
いつもワクワクするアイデアをご提案いただき、本当にありがとうございます!